「書くときは背筋を伸ばして‥」
「丁寧に、ゆっくりと‥」
「鉛筆の持ち方は‥」
漢字練習をしていると、よく聞こえてくるセリフです。
その度に思うのが、
たくさん気をつけることがありすぎて、何を意識して書けばいいんだろうということです。
達筆な人や書道家であればいいでしょう。ですが、子どもたち全員に当てはまるわけではありません。
僕はよく
「読める→書ける→キレイに書ける」段階でやっていこうと話しています。
まずは読めればいい。
見本通りの字は書けなくてもいい。
まず書くこと。
それができたら「キレイに書くこと」にチャレンジすればいい。
大切なのは、覚えようとする字が「わかるようになる」ことだからです。
別にキレイに書けなくたって、字が読めれば困らない。形が多少崩れてても読めるなら問題ありません。
そしてキレイに書きたいという意識があれば、いつからだってキレイに書こうとすることができるはずです。
大人になるとクセがついてしまって、直すのが大変という意見があるかもしれませんが、それでも直したい人はその時に直すはず。そのぐらいでいいと思うんです。
人間の脳はマルチタスクに向いていないと言われています。
①鉛筆の持ち方に気をつけながら、②姿勢を維持し、③丁寧に書く
すでにマルチタスクです。
漢字練習を例にすれば、「丁寧に書く」だけで精一杯です。
ましてや大人ではなく、子どもです。より難しいことかなと思います。
どこを伸ばしていきたいか、大人側がポイントを決めた上で指導していきたいですね。
漢字に限らず、他の教科の指導・普段の活動でも子どもたちに多くを求めすぎないようにする。簡単に思えて、難しいです。これもできるように‥、あれもさせてあげたい‥とやりだせばキリがないです。
「何を身につけて欲しいか」「何を目的にするか」を絞って指導することで、ひとつ一つの質が上がってきます。
[補足]
ただ「字がキレイなことで得することはある」
読めて、書けるまでいったなら、「キレイに書く」段階まで到達させてあげたいですね。